東日本大震災・フィリピン台風被災者支援
岩永 善信 十弦 ギターコンサート

第3回AMDA,Rose Chariaties, 月刊ふれいざー共催被災者支援コンサート
満場の人々の感動の渦の中で開催



 第3回になるAMDA、Rose Charities、月刊ふれいざー共催の被災者支援コンサートは、4月11日、今回もまたバンクーバー・ダウンタウンにあるクライスト・チャーチ・カテドラルにて、十弦ギター奏者の岩永善信さんをお招きして行われました。
 昨年、一昨年と同じく、カテドラルはほぼ満員のお客様に埋め尽くされ、温かい雰囲気の中で会場は感動の気に満たされました。

 オープニングではまず、黙祷に続いて恒例となった「鎮魂の歌」をトニー古森さんが前田多枝さんのピアノ伴奏で歌われ、その後、AMDAとRose Charitiesを代表してウィリアム・グルート氏、そして在バンクーバー日本国総領事館の岡田誠司日本国総領事による挨拶をいただきました。

 続く第一部では、アレクサンダー恵子さんと前田多枝さんのピアノ連弾に続き、小西千恵子さんとアレクサンダー恵子さんによるフルートとピアノの二重奏、そして成谷百合子さんの琴とアレクサンダー恵子さんのピアノ、岡田総領事による電子サックス(尺八の音に変換して)の三重奏が行われ、最後は被災地復興支援曲の「花は咲く」を、小西千恵子さんのフルート、成谷百合子さんの琴、岡田総領事の電子サックスという珍しい組み合わせで、小西さんによる編曲で演奏されました。震災後様々な場所で数多く聴かれる「花は咲く」ですが、初めての試みであるこの3つの楽器の組み合わせによる美しい調べは、聴く人の心に、初めてこの曲を聴いたときの想いに勝るとも劣らない感動を与えてくれました。

 第二部では、岩永善信さんの十弦ギター演奏が行われました。
 作者不詳の「ウォルシンガムに行ったとき」に始まり、バッハやシューベルト、ピアソラなどの、誰もがいつかどこかで聴いたことのある懐かしい調べが岩永さんの指から魔法のように紡ぎだされ、ふと、ここがどこなのか、今がいつなのかを忘れてしまうような、無我の境地へと人々をいざないました。十本の指と十本の弦から絡み合うように生まれる音は、繊細でありなが第3回東日本大震災及びフィリピン台風ハイヤン被災者支援コンサート報告ら豊穣で、時空を超えた深い響きとなって会場を満たしました。今や演奏会でもよく聴かれるようになった宮崎駿のアニメ「天空の城ラピュタ」のテーマ曲も、珍しい十弦ギターによる演奏によってまた違った感動を呼び起こしてくれました。

「浜辺の歌」「さくら幻想曲」などの懐かしい日本の歌に続いてメンデルスゾーン、そして最後の「セビリアの理髪師」は、大人数で演奏されるオペラ音楽に勝るとも劣らない迫力で聴く人の心を熱くしてくれたのでした。 広い舞台でたった一人で演奏するギターの調べが、あたかもオーケストラを聴いているような複雑で重厚な響きを作り上げ、めくるめく音が身体の中に流れ込んできて心が癒されていくようでした。
 アンコールは「アメージング・グレース」「ロンドンデリーの歌」の優しい調べで締めくくられ、鳴り止まないスタンディングオベーションの拍手の中で、今年のチャリティーコンサートは幕を閉じました。
 また、聴き手と同じ空間の中で音楽を共有することを大切にし、CDも作らず、数々来るTV出演依頼も一切受けずにコンサートでの演奏を続けながら国際的に非常に高い評価を受けておられる岩永さんが、今回のチャリティーコンサートで、温かい雰囲気の中で演奏できたことをとても喜んでおられたことを、コンサートに来てくださった皆様にお伝えしておきます。

 今回のコンサートの収益は、$10,131.80となりました。これは、送金手数料を除く全ての50%を岩手県大槌町のAMDA大槌健康サポートセンターの運営費として、またあとの50%を、Rose Charitiesフィリピン台風被災者支援のために使わせていただきます。同時に、日々忘れられていくことへの不安を訴えておられる被災地の方々に、バンクーバーの私たちは決して忘れていないということをしっかりと伝えさせていただきます。

 皆様、ご協力ありがとうございました。

(月刊ふれいざー5月号 より転載)