ギターの時間、2010年4月1日号
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ショコラ・ド・ミラクル(3)

このステージで、お嬢さま(柴田智子)に仕える執事役。浅倉さんは1990年代〜2000年前半にかけて音楽のフロントラインで活躍。その後は制作/プロデュース中心の音楽活動にますます意欲的だ。デジタル音楽制作のまっただ中を進んできたその浅倉さんに、この「ショコラ・ド・ミラクル」参加の経緯と、最近の音楽観を終演後、楽屋で聞いた。まずは近年のデジタル音楽制作事情について。
(撮影:梅野三四郎)

1.「もとめるものはデジタル時代でも感動。そこは変わらない」

ーー浅倉さんにとって今のデジタルな環境ってどうなんですか?

浅倉:今はインターネットがほんとうに浸透していて、音楽でも、CDが存在しつつそれに代わる方法も混在してますよね。発信する側が選ぶ方法も多岐にわたっている。以前ならCD制作だけを考えればよかった。それが今は配信、iTune、いろいろある。僕は、いまは自分のソロはiTuneで配信しています。が、模索しているところです。どれがいい悪いという判断まではなかなか難しいですね。

ーー制作現場と聞き手のことを考えると、どうですか? 今は流通システムを経ない方法が選択できるわけですよね。

浅倉:作り手と受け手が決定的に縮まっている。そこがデジタル•テクノロジーの恩恵ですね。言ってしまえば、完成したらすぐに聴き手の手元に届くわけだし。

ーーそれは浅倉さんにとっていいことですか、悪いこと?

浅倉:そりゃ好感触ですよ。やっぱり音楽って生ものじゃないですか。たとえば10年前と比べれば、1分という時間の価値観もスピードも違いますから。

ーー今回取材のセッティングをしていただいて、改めて浅倉さんのプロフィール、ここ10年の活動を調べておこうとネットで検索したらWikiPediaに過剰なくらいの詳細が紹介されていてびっくりしました。

浅倉:ははは。

ーーあの文章の編集には・・・。

浅倉:なにも関わっていないですよ。もう、すごいですね、こわいですね(笑)。

ーーそれで、その個人的なプロフィール部分はともかく、以前私が自分で取材させていただいた当時にも、浅倉さんの耳のよさについて、話題にさせていただいたことがありますが、そのことが、Wikiでも指摘されていました。当時話題にしたのはテンポ、音の揺れ、普通の人がまず気がつかない音の速度についてでした。Wikiで紹介しているのは、CDのコピーコントロール導入時、音を悪くするから反対だ、と、意思表明した音楽家はたいへん少なく、浅倉さんはその一人だということ。

浅倉:ああ、ありましたね。

ーーそういう耳の持ち主にとって、デジタルの環境では、mp3はじめ、それほど質の高くない音が普及しているじゃないですか。それについてはどういう見解を持っているんですか?

浅倉:今現在は、かつてのmp3よりかなり高いクォリティを確保できる状態が再現できますね
 それを確認しつつ、自分の納得できるメディアを選んでいます。mp3は圧縮率で音質が変わる。初期にはレンジがせばまっていて音質が損なわれた。ということはもっと言えば音楽の感動が削ぎ落とされてましたね。
 それと正直言えば、今、世の中がmp3の音質に慣れちゃっていて、そのぶん、これも感動が少ない。携帯電話のイヤホンを最大音量にしても、空間で揺れる音楽の感動とは違いますよね。

ーー落とされるモノがありますね。

浅倉:そこはジレンマであったりしますが。かといってCDを出し続けると宣言しても、今CDウォークマンを持っている人がいないですから。

ーーたしかに。いま、音楽活動としては制作が中心ですか? 今回のステージ、すごく“場慣れ”しているようにも拝見しましたが。

浅草:これは、特殊です。ふふふふ。一昨年から声をかけていただいて、今回で3回目なんですが。ニューヨークでは、こうしたステージをつくる方向がかなり盛んになってきているらいしですね。たとえばクラシックの方がロック・ミュージシャンを呼んで、ストーリーテラー役になって進んでいくというようなステージですね。
 で、いろんなテーマを噛み砕いていく・・・。そういうものを聴きにくる人、参加する人には、もうジャンルはあまり関係ないですしね。  

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■プロフィール
 キーボーディスト、ミュージシャン。音楽が電子楽器の開発に歩調を合わせて進化した1980年代、その電子楽器がデジタル化していく渦中で、音楽的才能を発揮してきた。高校生時代からメーカー(ヤマハ)の開発に関わったことが縁で、その後もヤマハの開発セクションとは交流を持ち、その縁もあって全盛期のTMネットワーク~ TMNのサポートキーボードを務める。
 1990年代からソロ活動、貴水博之とのユニット access での活動を経て音楽プロデューサーとしても活躍。最近は、外部への曲提供、TV音楽番組・新堂本兄弟にレギュラー出演。2008年6 月25日より、1000日をかけて100曲をiTunes Storeで配信するソロプロジェクト「DA METAVERSE」を継続中。
彼の作品、CD等はDAnetで試聴/購入が可能だ。 自他共に認める大のディズニーフリーク。

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スケジュールは以下。

7月31日(土) 福生市民会館
8月4日(水)/5日(木) 中野サンプラザ
8月13日(金) 中京大学文化市民会館
8月14日(土) 神戸国際会館
◎チケット料金  全会場:7,000円(指定・立見/税込み)
※3歳以上有料 詳細はこちら

▼そのアクセスaccessへのアクセスはここ!
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DA_metaverse
▲こちらは「DA METAVERSE」の入り口!  

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