ギターの時間 - 斉藤松男-

▲愛器はずっとラミレス。もう何台目になるのかな?
弾き込んでは弟子や生徒にゆずったりして、代を重ねた。

ギタリスト斉藤松男さんは「クラシックギターのしらべ」
という曲集の著者としても活躍されています。
それはナイロン弦を主とする“クラシックギター”文化が
“クラシック”にとどまっていないことを、
当たり前ですが、知らせるものでもあります。
こうした選曲、センスを生み出すギタリストの 音楽生活とは?
斉藤さんのギターライフ、ギター教則に対する考え方を紹介します。
(撮影:CHIAKI KAMIGA)

第1回 孫まで伝えたい(?)
「クラシックギターのしらべ」

●○● お忙しいところ、おじゃまします? この部屋がレッスンルームですね?
斉 藤 こんなときのために、これ、
こんなふうにテーブル代わりに使おう。(譜面台を水平に)
譜面台
●○● おお、これはどこかのおみやげ品ですか?
斉 藤 いや、これは自作なんだ。
●○● 自作・・・ですか? なかなかの腕前ですね!
斉 藤 でしょ?(笑)いろいろ昔から僕みたいに、
クラシックばかりじゃなく、
適当なことをやっているギター弾きってめったにいないからさ。
でも町のギター弾きにはぴったりでしょ。
そういえば、「犬と私の十の約束」(松竹映画2008年3月公開)っていう
映画スタッフが来たことがあって、
そのとき、ずいぶんこのへんのものを持って行ったよ。
(▼通りに面した教室の案内も手作り!)
●○● ああ、あの映画、斉藤さんが演奏指導もされてましたよね。
斉 藤 そうなんだよ。

※原作:「犬と私の10の約束」川口晴著(文芸春秋刊)/
監督:本木克英/出演:田中麗奈、加瀬亮、豊川悦司
主人公、あかり(田中麗奈)の幼なじみ進(加瀬亮)が音楽留学から帰ったギタリストと言う設定。 ギターはまったく初めてだったと言う加瀬亮さんに演技指導して、重要なシーンを演出していた。 この映画に関する詳しい内容はテレビ東京のホームページで。

●○● ギターを弾くことが好きだというタイプには、
斉藤さんのようなごちゃ混ぜの人も多いはず
っていうふうに、今も持っているんですよ。
でも、雑誌というメディアでは、
そういう読者を想定しても、焦点が定まらず、
中途半端に終わってしまいがちなんですね。
斉 藤 ああ、そうかもしれないね。
●○● じゃ、雑誌は無理ということになっても、
もともと日本ではギターって言ったときのイメージは
ひとそれぞれなんだから、違うメディアで、
総合するようなことができないかな、
というのがこのWEBマガジンを作っていく発想の1つにしています。
斉 藤 へえ、いいねえ!
僕は自分と同じ匂いの人がわかる。
そういう人としかつき合えないからさ(笑)。
匂いで生きているからさ(笑)。 譜面台
●○● よかった。そういう匂いが出せればいいなと思ってます。
まあ、音楽的には広いというか、
せまい範囲に限定したくない。
でもギターは核にしていたい。
とくにナイロン弦のギターを弾くテクニック、
教則スタイルは、ある程度歴史もあるから
指弾きのテクニックとして有効なことが多いし応用も効きますよね。
斉 藤 そうだよ、クラシックギターのテクニックはね。
●○● それにナイロン弦の表現力は、
スティール弦にはないものですよね。
そういうおもしろさ、よさは、もっと広げていきたいんですよ。
斉 藤 うん、それと、このコピーがいいね、
「初心者と50歳以上にやさしい」っていうのが。
●○● そういうことを目指しています。
それで、まあ、斉藤さんは、
ここでもうずいぶん長く教えてらっしゃるんですか?
斉 藤 長いね、40年近くになるかな。
●○● 教え方の歴史というか、内容なんですが、
斉藤さんがリットーミュージックから出された
「クラシックギターのしらべ」のシリーズは、
五線とタブの組み合わせで、クラシックの名曲と、
ポピュラーのギターアレンジが均等に並んでいて、
近年のヒットシリーズになっていますね。

クラシック・ギターのしらべ
■仕様:CD/菊4/96ページ
■価格:2,100円(本体2,000円+税)
■発売日:2002.2.16


斉 藤 まあ、そうなのかな。
●○● あれ以前にも五線とタブで名曲を弾こう
というシリーズは数々あったけど、
どうも性格が違う。感触が違う。
斉藤さんというフィルター、
リットーミュージック編集部というフィルターが、
クラシックギターに違う光をあてているように見えました。
斉 藤 ああ、なるほど。
●○● で、そもそも斉藤さんの中でタブ譜はどういう位置づけですか?
斉 藤 そもそもこのシリーズの前に、
あそこの編集部のフタッフが、
よく僕のコンサートに来てくれていて、
僕に声をかけてくれた。
「なにか、タブ譜を使ってうちの会社のシリーズとして、
財産になるようなものをつくらないか」という話があって。
それで作ったのが、「TAB譜とCDで学ぶクラシックギター」だったんだ。 最初は「禁じられた遊び」が弾けるようになればそれでいい、
っていうことで。

TAB譜とCDで学ぶクラシック・ギター 初心者向け教則本の決定版!!(CD付き)
■仕様:A4変型判/144ページ/CD
■価格:2,100円(本体2,000円+税)
■発売日:2008.08.27


●○● はい。
斉 藤 でも、そこまで行くためには
多少段取りしなければいけないでしょ。
音階を教えたり、セーハをマスターしたり。
ポジションのこととかアルペジオのこととか。
それで作っていくうちにけっこう本格的な内容の本になった。

そしたら編集部としては、初めてのジャンルだったので、
新聞広告も出したりして宣伝した。
その結果、思いのほか、売れたんですよ。
それじゃ、本格的にし切り直して第2弾としてつくってみたのが
「クラシックギターのしらべ」だったんです。
●○● そういう流れがあったんですね?

(続きます)

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2009-06-20-SAT

ギターの時間